ネットワークサーバーからはさまざまなサービスが提供されています。例えばHTTPを配信するサービスや、他にもメールを配信するサービス、最近はあまり使われなくなりましたがFTPによるサービスが提供される事もあります。こうしてさまざまな通信の目的に応じてサーバによるサービスが運用されています。それぞれのサービスにアクセスするためには、クライアントパソコンからの通信が行われる事でサービスが稼働する仕組みとなっています。しかし通信が集中してしまうと、サービス提供が滞ってしまうことがあります。

サーバが許容範囲内の通信を行っているうちはいいのですが、しかしサーバへのアクセスが集中してしまうと、サーバの通信が滞ってしまう事があります。サーバの通信が滞ってしまうとHTTPが正常に公開されなくなってしまったり、メールが転送されなくなってしまうこともあります。こうした状況が発生するとネットワーク上に障害が発生している事になり、クライアントパソコンからは正常な通信を行う事ができなくなってしまうのです。当然サービス提供にも滞りが生じてしまいます。

このような事態に対応する事ができる手法として、ロードバランサーによるネットワーク処理を活用します。バランサーは、その名前の通りネットワーク内を流れている通信のバランスを取る機器です。ロードバランサーによる処理を行うためには、ネットワーク内部に複数のサーバを構築する必要があります。そしてそれぞれのサーバとバランサーとを接続する事によって、各々のサーバへとまとまった通信信号を分配して適切な通信を行う事ができるのです。

ロードバランサーによる処理は、一般的な集中アクセスによる被害を防ぐだけではありません。他にもバランサーを活用する事によって不正アクセスの被害をも防ぐことが可能となります。現在、ネットワーク上には多様な不正アクセスが行われているうち、バランサーでの集中アクセス分配を行う事により一台のサーバへの集中負荷を回避する事が可能となります。集中アクセスによって脆弱性を突く攻撃の場合には、集中アクセスを回避する事で防ぐ事ができる場合もあるため有効な防衛手段となるのです。